明治時代、近代日本画の確立に大きく貢献した横山大観と菱田春草。
二人の挑戦と歩みを知ることができる展示です。
二人は同じ美術学校で在学当時から親交があり、切磋琢磨しながら画業に励みました。
会場には、初期から晩年までの作品およそ70点が、年代順に7つの章で
小話とともに紹介されています。
第一章では、
二人が影響を受けた画家や初期の作品、
大観が注目されるようになった代表作、「無我」などを紹介。
二章では、空気を描く方法を模索した時代の作品が並びます。
今では伝統的な日本画に欠かせない、
輪郭線を描かない「朦朧体」と呼ばれる表現を生み出しました。
また、二人は共にインドやヨーロッパなどで展覧会を開き、
海外で高い評価を得ました。
墨を使った作品が多かった二人ですが、
海外での活動経験から自信がつき、以降は色彩豊かな作品が増え、日本でも認められていきました。
合作もよく手掛けていましたが、
大観は89歳まで生きた一方、
春草は病気により36歳の若さで亡くなります。
5章からは、亡くなった春草の思いを引き継いだ大観の作品が並びます。
「横山大観と菱田春草 近代日本画を築いた二人の挑戦」は
11月30日 日曜日まで開かれています。