大人たちが囲む船の上で練習をしていたのは、
鯨船 勢州組の「オドリコ」や「ロコギ」です。
歌や太鼓の音にあわせて表現するのは、
鯨を発見し追いかけるところから、
反撃に遭いながらも最後に仕留めるまでのストーリーです。
手にする扇を開き方や、手の向き、角度など
所作の美しさも意識しながら取り組んでいました。
勢州組の鯨船は、元は北納屋町のものでしたが、
明治時代に古い船を塩浜地区の七つ屋町に譲り、
その後、平成に入って本町通り商店街に譲渡されました。
船の側面上部の五尺や、
二見浦の夫婦岩が刺繍された胴幕などは、
江戸後期から明治にかけてのものだそうです。
船を山車蔵から出しての練習に移ると、
子どもたちは、揺れる船の上での動作となります。
また、力をあわせて船を動かすこと、
「おもかじ」「とおりかじ」といった的確な指示など、
船に関わる人の心を一つにしなければなりません。
誰一人気を抜くことなく真剣に練習に取り組んでいました。