1992年のオープン当時から涼仙ゴルフ倶楽部のレストランに飾られている陶板は、
重厚感と色鮮やかさを併せ持つ九谷焼の作品です。
30数年の間にところどころ傷が付き、作者の長谷川塑人さん自ら修復に当たることになりました。
長谷川さんは1935年、昭和10年生まれの90歳。
石川県金沢市出身で、県指定無形文化財の認定や、数々の受賞経験を持つ現役の陶芸家です。
実際の傷を目の当たりにした時はとても残念そうでしたが、
作業に取り掛かるとその表情は一変。黙々と手を動かします。
金箔部分の傷には、専用の接着剤を塗ってしばらく置いた後、刷毛で少しずつ金粉を乗せ、指でなじませます。
厚みや色合いを確認しながら微調整を続けます。
作品中央のボタンの花は、事前に用意していた釉薬と色が合わないと話していましたが・・・
長年の経験から対処法をみつけ、一気に色付け。
新しい味わいの花に仕上がりました。
作業開始からおよそ3時間。一通り修繕をし、翌日の最終確認を残すのみとなりました。